
2023年5月16日に開催された定例総会において再任され、本年度も会長を務めることになりましたアッヴィ合同会社の大須賀です。医薬品企業法務研究会(医法研)は、1981年4月に設立され、40年を超える歴史を持つ医薬品企業、医薬関連企業の法務・コンプライアンス関連の唯一の研究団体です。会員企業106社、登録会員数 377名(2023年6月1日現在)から構成され、おかげさまで今日では医薬品及び医薬品関連業界の法務系研究団体として認知いただくようになっています。
品質問題に端を発した医薬品の供給不足問題は、引き続き、医療現場に少なからず影響を及ぼしています。また、改正次世代医療基盤法の成立により、「仮名加工医療情報」という新たなカテゴリーが創設され、医療情報という社会資源の利活用の在り方に一石が投じられた一方で、私たちの販売情報提供活動に対する注目が益々高まる中で、医療現場で必要とされる医薬品に関する情報をいかに必要十分な形でお届けできるかという課題もあり、医療に関わる情報の取扱いについて真摯に向き合うことを余儀なくされています。更には、Chat GPTを始めとするAIが普及の一途をたどり続けていることも踏まえて、私たちの今後の企業活動の在り方及び各社の各部門の機能の在り方を、改めて考え直さなければならない業界内外の環境となっているのではないかと認識をしています。
このような環境の中で、医法研においては、法的な問題はもちろんのこと、コンプライアンス、医療問題、臨床研究、治験補償等の幅広いテーマについて、研究部会活動を通じての研究の機会と、月例会特別講演及び法務実務講座を通じての研鑽の機会をご提供しています。各社の実務により有益な研究と研鑽の実現を目指して、研究部会においては研究部会アドバイザーとして、特別講演及び法務実務講座においては講師として、それぞれ外部の専門家または有識者の皆さまにもご支援をいただいています。新型コロナウィルス感染症の感染症法上の位置づけが5類に移行されたことを踏まえ、月例会等のイベントにおいても、会場開催によるコミュニケーションの向上とリモート開催による利便性の確保という双方の利点を活かすべく、ハイブリッド開催のより適正な形をその頻度も含めて模索してまいります。併せて、適時且つ必要十分な情報提供ができるよう、ホームページを始めとしたインフラ整備についても更なる拡充に努めたいと考えています。
会員会社における更なる組織または体制の整備に少しでも貢献できる医法研であり続けると同時に、他団体との連携を含めて、当業界における唯一の法務系研究団体として業界に更なる貢献ができるよう、微力ながら努めてまいりますので、引き続き、ご支援、ご協力のほど、どうぞよろしくお願いいたします。
2023年6月
医薬品企業法務研究会
会長 大須賀 久人